チリモン図鑑第4巻 その他編

 チリメンモンスターのうち魚・貝・エビカニ以外の仲間を紹介します。
(写真内のスケールは特に表記しない限り、1目盛り5mm。出現頻度は☆が多いほど珍しい。最大☆5つ:但し館での記録による判断。)
なお、学名や種の特徴については主に保育社刊「原色検索 日本海岸動物図鑑2」 東海大学出版会刊「日本産海洋プランクトン検索図説」を参考にした

 [棘皮動物(ウニ・ヒトデの仲間)]
[クモヒトデの一種(ナガトゲクモヒトデ?)]
学名:[Ophiothrix exigua ?]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成20年10月大阪湾産のチリメンより採集。
解説:クモヒトデはヒトデに似た体をもつが別グループ(クモヒトデ綱)をつくる棘皮動物で体の中央に盤をもつ。特徴からナガトゲクモヒトデと思われるが、資料によるとこの種は房総半島以南の太平洋岸と日本海沿岸の潮間帯から浅海域に生息し、通常転石下に潜むが、木片や海藻に付着することもあるそうだ。
[ヤツデスナヒトデ] → [ヒメウミシダ科のウミシダ]
学名:[Luidia maculata ][Antedonidae sp.indet.]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成18年9月大阪湾産のチリメンより採集。
解説:以前「ヤツデスナヒトデ」としていたが誤同定の指摘があり、専門家に鑑定してもらい訂正。ウミシダはウミユリ類の一グループであるが、ウミユリ類は"茎"をもつのに対し、ウミシダ類は"茎"を持たない。またウミユリ類は大陸棚や深海を生息域にするのに対し、ウミシダ類は浅海にも生息する。また、漁業関係の資料を見ると、魚網に多量にかかることもあるそうだ。
[キヒトデ]
学名:[Asterias amurensis ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成19年3月有田湯浅沖産のチリメンより
解説:キヒトデは5本の腕をもち、北海道から九州の浅海からやや深い海底に暮らすヒトデの一種。
[ウニ(ブンブク類の稚ウニ)]
学名:[-----]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成19年2月有田湯浅産のチリメンより
解説:以前、バフンウニ?としていたが、ウニの専門家 鶴見大の阿部道生氏よりブンブク類の稚ウニであろうと御指摘いただいたので訂正。(御指摘、ありがとうございました。)
海藻等に付着して浮遊している所をバッジ網でつかまったのかもしれない。
 [毛顎動物(ヤムシの仲間)]
[ヤムシ]
学名:[Sagittoidea ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成19年3月有田湯浅沖産のチリメンより
解説:ヤムシは「毛顎動物」に属する、多くが遊泳性の小動物。
海中では非常に多くの個体が生息しており、食物連鎖の重要なメンバーである。
結構どう猛な動物であり、自分と同じぐらいの大きさの小動物を丸飲みすることもある。    
[腔腸動物(クラゲの仲間)]
[アカクラゲ]
学名:[Dactylometra pacifica ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成19年3月有田湯浅沖産のチリメンより
解説:アカクラゲは「肛腸動物」に属するクラゲの一種で、本州から沖縄の日本近海にふつうに見られる。
触手には強い毒をもっている。瀬戸内では釣り餌につかうらしい。

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