チリモン図鑑 魚編

 チリメンモンスターのうち魚の仲間を紹介します。
(写真内のスケールは特に表記しない限り、1目盛り5mm。現頻度は☆が多いほど珍しい。最大☆5つ:但し館での記録による判断。)
なお、学名や種の特徴については主にきしわだ自然資料館刊「大阪湾の魚類」及び 山と渓谷社刊「カラー名鑑 日本の海水魚」「ポケットガイド 海水魚」を参考にした。

[ウスハダカのこども]
学名:[ Myctophum orientale ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成23年度11月頃産の和歌山・大阪湾産のチリメンより
解説:ウスハダカは相模湾以南の温帯域の大陸棚周辺にすむ深海魚でハダカイワシの一種。昼間は200mより深い所にいるが、夜間には海面近くまで上がってくる。
[コロダイのこども]
学名:[ Diagramma pictum ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成22年度7〜8月の和歌山・大阪湾産のチリメンより
解説:南日本からインド洋にかけての砂泥底や岩場に生息する魚。幼魚には写真の通り縦縞があり、イノシシ(コロ)を思わせるのでこの名がついた。
[メジナのこども]→[シマイサキ科の魚のこども]
学名:[ Girella punctata→Juvenile of Teroponidae]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成22年度7〜8月の和歌山・大阪湾産のチリメンより
解説:以前、「メジナのこども」としていたが、黒斑等の分布がメジナと異なると専門家からの指摘があり訂正。シマイサキ科の魚にはシマイサキ、コトヒキなどがおり南日本の沿岸河口域に生息し、防波堤釣りでは比較的よく見られる魚だそうである。
[フエフキダイ類のこども]
学名:[ Lethrinidae ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成22年度2〜3月の和歌山産のチリメンより
解説:「フエフキダイ類はフエフキダイ科の魚で、岩礁域や沿岸の砂礫底に生息する。吻(くちばし)部が突出する傾向にある。
[ハゼ科の魚のこども]
学名:[Gobiidae ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成22年度4〜5月の和歌山産のチリメンより
解説:ハゼ科の幼魚だが、何ハゼかは不明。
[アジの仲間]
学名:[Carangidae ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成22年度4〜5月の和歌山産のチリメンより
解説:専門家の鑑定によるとアジ科の幼魚らしい。なぜ赤い色をしているのかは不明。
[マトウダイ]
学名:[Zeus faber ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成22年度4〜5月の和歌山産のチリメンより
解説:マトウダイは青森以南の太平洋側に生息する魚。体側に黒色の眼のような模様がある。高級料理やカマボコの原料とされる食用魚。
[シロギスのこども]
学名:[Sillago japonica ]
出現頻度:☆☆☆☆(ややまれ)
採集データ:平成22年度2〜3月の大阪湾産のチリメンより
解説:シロギスはキス科の魚。北海道北部と沖縄をのぞく日本各地の内湾や沿岸部の砂底に生息する。甲殻類やゴカイ類を主な餌とする。
[シロウオのこども]
学名:[Leucopsarion petersii ]
出現頻度:☆☆☆☆(ややまれ)
採集データ:平成22年度4〜5月の大阪湾産のチリメンより
解説:シロウオはハゼ科の魚。シラウオではない。(シラウオはアユに近いシラウオ科の魚。)北海道以南に生息する。側線、鱗がないなど幼魚の特徴をもったままおとなになる。体長は最大で5cm。躍り食いのシラウオはこの魚のこと。
[カイワリのこども?]
学名:[Kaiwarinus equula? ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:不明
解説:カイワリとおもわれる仔魚。カイワリは砂泥の底層に住むアジ科の魚。口の中に寄生性等脚類のシマアジノエが居ることが多いらしい。
[コバンザメの子供]
学名:[Echeneis sp. ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(大変 まれ)
採集データ:(上)平成16年の大阪湾産のチリメンより
(下)不明((株)カネ上所有の標本。)
解説:コバンザメは頭部にコバン型の吸盤をもつ魚でカジキ・サメ・ウミガメ等の大型海産生物に吸着して移動する生活を送る。採餌中は自由遊泳をするらしい。
[シイラのこども]
学名:[Coryphaena hippurus ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:不明
解説:シイラは世界中の暖海にすむ表層性の魚食性の魚。稚魚は流れ藻に付随する。
[ミノカサゴ]
学名:[Pterois lunulata ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:不明
解説:ミノカサゴは南部北海道以南の沿岸岩礁域に生息する魚食性の魚。鰭の棘には非常に強い毒がある。
[アユのこども]
学名:[Plecoglossus altivelis altivelis ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)※但し3月頃のみ
採集データ:平成22年3月の大阪湾産(和歌山沖・神戸沖混合)のチリメンより
解説:アユはふ化後降海し、主にカイアシ類を採餌しながら成長したあと、体長が7pを超えると河川に遡上してくる。
[アイナメの仲間のこども]
学名:[Hexagrammos sp. ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成22年3月の大阪湾産(和歌山沖・神戸沖混合)のチリメンより
解説:アイナメ類は日本沿岸の岩礁域、砂利底の海底にすむ底生のさかな。この仲間のクジメは側線が一本であることで他の種と区別出来る。
[ヒメジ]
学名:[Upeneus iaponicus ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成21年8月の大阪湾産(和歌山沖・神戸沖混合)のチリメンより
解説:ヒメジは南部北海道以南の日本近海に生息する魚。顎下にある髭で餌になる底生の小動物を探る。
[ゴンズイのこども]
学名:[Plotosus lineatus ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成21年8月の大阪湾産(和歌山沖・神戸沖混合)のチリメンより
解説:ゴンズイは本州中部・富山湾以南に生息するナマズ目の魚。”ゴンズイ玉”と呼ばれる濃密な集団をつくる。鰭棘に毒があり、体質によっては死ぬこともある。
なお、以前よりチリモンで見つかっていたゴンズイはより小さいサイズのものであった。
[ハリセンボン?のこども]
学名:[Diodon holocanthus? ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常に まれ)
採集データ:平成21年8月の大阪湾産(和歌山沖・神戸沖混合)のチリメンより
解説:ハリセンボンは青森以南にみられるハリセンボン科の魚。珊瑚礁・砂質の海底・礫質の海底・岩礁域など様々な場所に生息する。
[チゴダラ類(ヒメダラ?)のこども]
学名:[Moridae (Laemonema nanum?) ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成20年11月の大阪湾産のチリメンより
解説:ヒメダラは南日本沿岸、日本海、瀬戸内海に生息する小さなチゴダラ類の魚。
[ウマヅラハギ?のこども]
学名:[Thamnaconus modestus? ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成20年11月の大阪湾産のチリメンより
解説:ウマヅラハギは相模湾以南の浅い沿岸域に生息する魚。小型の底生動物を捕食する。
[セミホウボウのこども]
学名:[Dactyloptena orientalis ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成20年11月の大阪湾産のチリメンより
解説:セミホウボウは日本付近では、南日本から東シナ海の沿岸域から大陸棚砂泥底にすむ魚。
主に甲殻類を捕食する。食用になるがあまり旨くないらしい。
[ウナギギンポの仲間?のこども]
学名:[Xiphasia setifer? ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成20年12月の有田湯浅産のチリメンより
解説:「ウナギギンポ」の稚魚と思われる魚。ウナギギンポは東京湾以南の太平洋岸、瀬戸内海の砂質底に生息する魚。
[イケガツオのこども]
学名:[Scomberoides lysan ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成19年11月の有田湯浅産のチリメンより
解説:名前に”カツオ”とはいっているが、実は大型のアジの仲間。稚幼魚は内湾の河口域にも出現する。
[ハタ類のこども]
学名:[Serranidae]
出現頻度:☆☆☆☆(ややまれ)
採集データ:平成19年11月の有田湯浅産のチリメンより
解説:ハタ類のこどもは上の写真のように背びれ、腹びれのトゲが長くなっているのが特徴。
下の写真ではトゲは倒れてよく見えないが体はよく保存されている。
[タイのこども]
学名:[Acanthopagrus sp. ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成20年7月の有田湯浅産のチリメンより
解説:以前「クロダイ」としていたが専門家の鑑定により訂正。
[テンジクダイのこども]
学名:[Apogon linaetus ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成20年7月の有田湯浅産のチリメンより
解説:テンジクダイは北海道南部以南の内湾の水深100mあたりの砂泥底の海に生息する魚。雄が口の中で卵を守るマウスブリーディングを行う。下の方がより成長したもので、大きさからすると成魚かもしれない。
なお本種の産卵期は7〜9月頃である。
[アオヤガラのこども]
学名:[Fistularia commersonii ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常に まれ)
採集データ:平成20年7月の有田湯浅産のチリメンより
解説:アオヤガラは太平洋域の浅い岩礁や珊瑚礁に棲む魚。長い吻で小動物を吸引して捕食する。
[キハッソクのこども]
学名:[Diploprion bifasciatum ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常に まれ)
採集データ:平成18年10月の有田湯浅産のチリメンより
解説:キハッソクは相模湾以南の浅瀬の岩礁域に棲む魚。(同定には「ゆめえび」さんのチリモン関係のブログを参照しました。ありがとうございました。)
[カマスサワラ?のこども]
学名:[Acanthocybium solandri ? ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常に まれ)
採集データ:平成20年5月の有田湯浅産のチリメンより
解説:カマスサワラは体長が最大2.2mにもなる暖海の外洋にすむ魚。稚魚は夏期に太平洋側に出現する。
[ハタタテダイ?のこども]
学名:[Heniochus acuminatus ? ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常に まれ)
採集データ:(上)平成19年10月の大阪湾産のチリメンより
(下)平成18年10月の大阪湾産のチリメンより
解説:ハタタテダイはチョウチョウウオの仲間で千葉県以南の海に生息する。
上は同種のトリクチス幼生。
[ウルメイワシのこども]
学名:[Etrumeus teres ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成20年5月の湯浅有田沖産のチリメンより
解説:ウルメイワシは北海道以南の温帯海域に棲む魚で、四国沿岸や九州西岸で繁殖をする。
[カサゴの仲間のこども]
学名:[Scorpaenidae ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)←訂正
採集データ:上は平成22年3月大阪湾産、下は平成20年5月の有田湯浅沖産のチリメンより
解説:カサゴは沿岸岩礁にふつうに居る魚。頭部に棘が多く生えている。関西では「ガシラ」と呼ばれている。
下はより成長した稚魚。
[コチのこども]
学名:[Platycephalus sp.1 ]
出現頻度:☆☆(やや 多い)
採集データ:平成20年3月の有田湯浅沖産のチリメンより
解説:コチは南日本の河口・内湾の砂泥底にすむ魚。高級食用魚である。
[ヒイラギのこども]
学名:[Leiognathus muchalis]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成20年3月の有田湯浅沖産のチリメンより
解説:ヒイラギは沿岸域・内湾域にすむ魚。チリメンに混じる稚魚には背中側にヒョウ柄状の斑点をもつ。
[アカタチのこども]
学名:[Acanthocepola krusensterntii ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成20年3月の有田湯浅沖産のチリメンより
解説:アカタチは体の長い淡紅色の魚。
[マツカサウオのこども]
学名:[Monocentris japonica ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成20年3月の有田湯浅沖産のチリメンより
解説:マツカサウオは北海道南部以南の浅海岩礁域にすむ金色の体と黒い編目模様のある魚。
[ウシノシタ類のこども]
学名:[Cynogiossidae]
採集データ:平成19年10月大阪湾産チリメンのよりかすより
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
解説:専門家の鑑定によりより詳細が判明。変態前の為、まだ目が左右にあり一方に寄ってない。せりだした頭が特徴。
[カレイ類のこども]
学名:[----]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成19年2月の有田湯浅沖産のチリメンより。
解説:上の標本よりは発生の進んだ個体。変態後で目が一方に寄っている。
[ヒラメ類のこども]
学名:[----]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成18年9月の大阪湾産チリメンより
[シタビラメ類のこども]
学名:[------]
採集データ:平成19年10月和歌山県産のチリメンより(大阪ほんわかテレビの取材時)
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
解説:変態が終了して成魚と同様の形態をしている。大阪湾ではアカシタビラメ、アオシタビラメ等のシタビラメ類の水揚げ量は非常に多い。
[マタイのこども?]
学名:[Pargus major ? ]
採集データ:平成19年10月和歌山県産のチリメンより(大阪ほんわかテレビの取材時,レポーター武内由紀子氏が採集)
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
解説:タイは岩礁棲の魚で、いわずとしれた高級食用魚である。稚魚はふ化後1月ほどは浮遊生活をしたあと、砂底の浅所へ移動する。
[スズメダイ類のこども]
学名:[Pomacentridae]
採集データ:平成19年10月和歌山県産のチリメンより(大阪ほんわかテレビの取材時,レポーター武内由紀子氏が採集)
写真では解からないが、うっすら朱色ががっている。
[ハゼ類のこども]
学名:[Gobiidae]
採集データ:平成19年10月和歌山産のチリメンより(大阪ほんわかテレビの取材時)
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
解説:顔からハゼ類であることは明白だが、この仲間の特徴である吸盤状の胸びれがあるようにはみえない。
[エソ類のこども]
学名:[Synodontidae]
採集データ:平成19年10月和歌山県産のチリメン
出現頻度:☆☆(やや多い)
解説:市販のチリメンジャコにもかなり混入している。
成魚は、かまぼこの原料に使用されることも多い。
[アジのこども]
学名:[Cerangidae]
採集データ:平成18年9月大阪湾産チリメンより
出現頻度:☆☆(やや多い)
解説:アジ類は小魚を補食し、より大型の魚にエサとして補食されるような生態学的地位(生き物の世界での役わり。)を持っている。
すなわちカタクチイワシの群れをおそっている際に供に捕まったようである。
[フグのこども]
学名:[Tetraodontidae]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成18年9月大阪湾産のチリメンより
解説:大阪湾近辺のチリメンに混じるフグは主にサバフグの仲間のようである。
[カワハギ類のこども]
学名:[Monacanthidae]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成18年9月大阪湾産のチリメンより
解説:カワハギは北海道より南の沿岸域に生息する、食用魚。
大阪湾近辺に棲むカワハギ類にはカワハギ・アミメハギなどがいる。
[イソギンポのこども]
学名:[Plablennius yatabei]
出現頻度:☆(非常に多い)
採集データ:平成18年9月大阪湾産のチリメンより
解説:イソギンポは下北半島より南、奄美大島より北の日本各地の岩礁性海岸やタイドプールに生息している。
[ニジギンポのこども]
学名:[Petroscirtes breviceps ]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
採集データ:平成19年2月徳島産のチリメンより
解説:ニジギンポは下北半島より南の日本各地の岩礁性海岸や内湾の藻場に生息している雑食性の魚。
[ホウボウのこども]
学名:[Chelidonichthys spinosus ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成19年2月湯浅有田沖産のチリメンより
解説:ホウボウは北海道南部以南の水深25〜600m前後の砂泥底に生息する肉食性の魚。
[ベラ類のこども]
学名:[Labridae]
出現頻度:☆☆(やや多い)
採集データ:平成18年9月大阪湾産のチリメンより
解説:べラ類は沿岸の浅瀬や砂浜に住む魚。
大阪湾近辺に棲むベラ類には、キュウセン・ホンベラなどがいる。
[ギンカガミのこども]
学名:[Mene maculata ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成18年10月大阪湾産チリメンより
解説:ギンカガミは主に熱帯に生息する魚で、南日本では定置網で希に捕獲されるが、利用価値は低い。平成18年秋のチリメンには多く混入していた。
[ヨウジウオ類のこども]
学名:[----]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)※ただし季節による。
採集データ:平成22年3月大阪湾産チリメンより
ヨウジウオ類は主に浅海域にすむ魚で体は硬い体輪に覆われている。スポイト状の口で小さなプランクトンを吸い込んで食べる。ふつう雄は腹部
か尾部に保育嚢をもつ。大阪湾近辺に棲むこの仲間にはヨウジウオ・ヒフキヨウジ・テングヨウジ等がいる。
[タツノオトシゴ類のこども]
学名:[Hippocampus sp.]
採集データ:平成18年9月大阪湾産チリメンより
出現頻度:☆☆☆(ふつう ただし冬〜春)
解説:主に冬〜春のチリメンジャコによく入っている。ヨウジウオ類に近縁だが尾びれがなく尾で藻などにしがみついていることが多い。ヨウジウオ類同様 保育嚢をもつ。
大阪湾近辺に棲むこの仲間にはハナタツ(旧称タツノオトシゴ)・イバラタツなどがいる。
[ミシマオコゼ類?のこども]
学名:[Uranoscopidae?]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成18年9月の大阪湾産のチリメンより
解説:一見アンコウの様にも見える。専門家の再鑑定により「ミシマオコゼ類」のこどもらしい。
ミシマオコゼ類は琉球列島沿岸を除く日本各地の砂質の海底に生息。蒲鉾の原料とされる。
[チョウチョウウオのこども]
学名;[Chaetodon auripes ]
出現頻度:☆☆☆☆☆(非常にまれ)
採集データ:平成18年10月の大阪湾産のチリメンより
解説:上のほうがより若い子供(トリクチス幼生期の稚魚)。
体の柄からすると「チョウチョウウオ」のようだ。
[タチウオのこども]
学名:[Trichiurus japonicus ]
出現頻度:☆(非常に多い)
採集データ:平成18年9月和歌山産のチリメンより
解説:大阪湾産や和歌山産のチリメンには必ず混入している。
[アイゴのこども]
学名:[Siganus fuscescens ]
出現頻度:☆☆(やや多い)
採集データ:(上)平成20年7月有田湯浅沖産のチリメンより
(下)平成18年9月和歌山産のチリメンより
解説:アイゴはヒレのトゲに毒をもっている。食用魚。稚魚はおもに動物プランクトンを食べるが、成長するにつれて藻食傾向が強くなる。
上はより若い稚魚。
[サバ科の魚のこども]
学名:[Scombridae]
出現頻度:☆☆☆(ふつう)
平成19年2月の有田湯浅沖産のチリメンより。
世界中の温帯・熱帯に生息する食用魚。
[ボラのこども]
学名:[Mugil cephalus cephalus ]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成19年2月の有田湯浅沖産のチリメンより。
解説:ボラは北海道以南の沿岸域や内湾にすむ魚で、しばしば河口に遡上する。
[アナゴ類のこども]
学名:[Congridae]
出現頻度:☆☆☆☆(やや まれ)
採集データ:平成19年3月の有田湯浅沖産のチリメンより
解説:胴が平たく幅の広い、いわゆる「レプトケパルス幼生」の形をしている。

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