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最干は12時だったのですが,11時の時点でここまで潮が引いていました.
当日はほどよく曇りで観察会日和でした.
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行事が始まる前から熱心に貝をさがすアドバイザーの畑中先生
カワザンショウのなかまを探していたそうです.
この貝は満潮時にも潮をかぶらないような所の落ち葉やゴミの下でよくみられます.
ここでもたくさん見つかりました.
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観察会を始める前に,恒例のゴミ拾いです.10分たらずでしたがたくさんのゴミを集めることができました.
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ゴミ拾いが終わったら,さっそく観察会開始です.
採集している様子を写真にとろうと思っていたのですが,夢中になってしまい撮影するのを忘れていました.なので,ここからは磯で観察された生き物を簡単に紹介します.
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オオヘビガイ Serpulorbis imbricatus
ヘビのようにうねうねした形をしていますが,れっきとした巻き貝のなかまです.
粘液を口からクモの巣のように張りめぐらせ,エサをとらえます.
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イタボヤ科の一種 Botryllidae sp.
単体ではなく群体性のホヤのなかまです.
転石などをめくるとついていることがよくあります.
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イボトゲガニ Hapalogaster dentata
カニという名前がついていますが,どちらかというとヤドカリに近い種類です.
見分け方は,ハサミ以外のあしが3対であればヤドカリのなかま.4対であればカニのなかま.
今回観察されたイソカニダマシも同じく,ヤドカリに近いなかまです.
どちらも転石をはぐるとよく出てきます.
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トコブシ Haliotis jacnensis
写真手前に大きな個体がいて,その奧に人差し指サイズの個体がいます.
アワビとの見分け方は穴の数で,トコブシは7〜8個,アワビは4〜5個です.
干潮時には,こんな立派なトコブシを見ることができます.
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ババガゼ Placiphorella stimpsoni
殻を8枚もつヒザラガイのなかまです.
ヒザラガイの類では珍しく肉食性です.体の前方(写真左側)を持ち上げ,ヨコエビなどの甲殻類をとらえます.
肉帯の色彩は,橙色から黄色,赤色などさまざまです.
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ミツクチキリオレ科の一種 Triphoridae sp.
最大でも1.5cmほどの小さな巻き貝です.
転石の下の海綿などについていることが多いです.
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マンリョウウミウシ Carminodoris armata

マンリョウウミウシの卵塊
説明の時にはヤマトウミウシと言っていたのですが,観察会に参加していた和大の加藤君にマンリョウウミウシでは?との指摘を頂きました.
どちらもドーリス科というグループに含まれるのですが,マンリョウウミウシは体の背面にあるイボの基部に白い輪が刻まれるのが特徴です.
観察会では,このウミウシの卵塊(おそらく)があちこちにありました.
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このように(?)午前中は磯の生き物の採集をおこない,午後からは採集した生き物の観察&専門のスタッフによる解説をおこないました.
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採集した生き物たち
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みなさん熱心に話を聞いています |
観察会終盤,ふと死んでいたメジナの稚魚を見てみると口から何やらもぞもぞと這い出てきました.

ウオノエのなかまです.上側に尾があり,頭が下側になります.
よく見るとチリモンで出てくるウオノエ類と似たような形をしていました.
こんな小さな魚にも寄生してるんですね.
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最後に,もう一種寄生性の生き物が採集されたので紹介します.

写真はイソテッポウエビの仲間なのですが,よく見ると頭の辺りが妙にふくらんでいます.
その部分をピンセットでつついてみるとこんなのがでてきました↓

エビヤドリムシの一種です.

これは腹側からの写真です.
ヤドリムシの仲間は,オスがはるかに小型で,メスの体に付着して生活していることが多いようです.
体に卵のようなものももっています.
テッポウエビの仲間に寄生するヤドリムシは何種か知られているそうです.
観察会の度に新しい発見がでてくるので興味がつきませんね. |
今回の観察会は,様々な分野の専門家がいたので,たくさんの種類を見つけることができました.
また,ここで紹介した生き物はほんの一部です.
観察会で見られた生き物のリストはこちら
大川は海の生きもの観察にもってこいの場所です.
今後もたくさんの行事を予定していますので,楽しみにしていて下さい.
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